毎日がクリスマス

カトリック司教 幸田和生のブログです。説教メモなど

八王子教会でのミサの説教

hachiouji

24日(日)は王であるキリストの祭日で、「信仰年」閉幕の日でした。
わたしは八王子教会での堅信式ミサを司式しました。
以下は説教の原稿ですが、目の前に堅信を受ける中学生がたくさんいたので、
実際の説教はかなり変わってしまいました。

●王であるキリスト(ルカ23・35-43)ホミリア
 信仰年は昨年の10月11日に始まり、きょうの王であるキリストの祭日をもって終わります。この一年、世界中のカトリック教会がそれぞれの仕方で、この信仰年のテーマに取り組んできました。でもカトリック教会の中でこの一年でもっとも大きな出来事は、教皇交代ということだったに違いありません。ベネディクト16世教皇が引退され、代わりにフランシスコ教皇が選ばれました。
 ではありますが最近、もう一度、信仰年を始めたベネディクト16世教皇の意図を思い起こしたいと思っています。
 根本的には、ヨーロッパの信仰の危機ということが、ベネディクト教皇の頭にはありました。伝統的なキリスト教国で、信仰がもはや当たり前の前提ではなくなり、キリスト教がかつてのような影響力を失ってしまった。その中でもう一度信仰の価値を再発見しようという呼びかけが、この信仰年の出発点にはありました。
 どうしようとしたのでしょうか。信条の理解を深めること、教理をもっと深く学ぶこと、いろいろなことが言われましたが、教皇が『信仰の門』の最後で言っていることは大切です。それは信仰と愛の結びつきです。愛のない信仰はむなしいし、信仰のない愛もどこかおかしい。ベネディクト教皇がずっと願っていたこと、それは信仰と愛の結びつきをカトリック信者が本当の意味で深く生きることだったと言っても良いのではないかと改めて思っています。
 このことを思い返すとき、この「信仰年」の間にフランシスコ新教皇がカトリック教会に与えられたことは、本当に摂理的なことだったのではないかと感じます。フランシスコ教皇は、神への単純な信頼と、そこから来る貧しい生き方、喜び、すべての人への愛、特に貧しい人々への愛によって、世界中の人の心に、信仰と愛の結びつきを、言葉ではなく、日々の生き方をとおして現してくれているからです。
 信仰年のテーマは一年で終わってしまうようなものではありません。この世俗化された世界の中で、わたしたちはずっとこのテーマを生きていきます。それは一言で言えば、「信仰と愛の結びつきをあかしする」ということだと言ってもよいのではないでしょうか。

 わたしたちは神がいてくださると信じています。その神はイエスがアッバ(父)と呼んだ方で、すべてのものを造り、すべてのいのちを生かし、すべての人をご自分の子として愛しておられる方です。信仰とは何よりもその神の愛に気づくことです。神の愛に生かされている自分に気づくことです。神がアッバであり、自分はその子どもであると気づくことです。そこからどんなときも揺るぐことのない神への信頼を持って生きることです。どんな時も神に希望を置いて生きることです。この信仰は同時に、すべての人がわたしと同じように神に愛された人間であるという気づきをわたしたちに与えてくれます。わたしの出会う人すべてを同じ神の子ども、互いに兄弟姉妹であると認め、尊重し、神から受けた愛を少しでも兄弟姉妹にお返ししようとすることです。神を父と仰ぐことは、隣人を兄弟姉妹として大切にすることと結ばれています。

 今日、堅信の秘跡を受ける皆さん、皆さんは、今日、按手と塗油のしるしをとおして、聖霊をいただきます。それは教会の始まりに使徒たちが受けた聖霊です。その聖霊を受けて、使徒たちは神の愛をあかしし、イエスが復活して今も生きておられることを宣言する教会の活動を始めました。皆さんはその教会の大人のメンバーとして、教会のあかしの使命にあずかる者となります。
 今日お話ししたような「信仰と愛の結びつき」をあかしする人になってほしいと思います。世の中には、わたしたちよりもっと愛の深い人がいるかもしれません。わたしたちよりもっと信仰の深い人もいるかもしれません。まあわたしたちはそんなにたいした人間ではないかもしれません。でもわたしにとって、信仰なしに愛はないし、愛なしに信仰はない、そういう信仰をいただいているのだ、その信仰を精一杯生きようとしているのだ、そう胸を張って言える人になってください。
 この信仰をいただいている人は日本ではほんのわずかです。学校や職場でまわりを見回してもほとんど信仰の仲間は見当たらないでしょう。でも胸を張って、わたしは信じています、と言えるようになってください。そのためにわたしたちは神の力=聖霊をいただくのです。
 そしてわたしたちは数は少なくとも、決して一人ではありません。教会の仲間がいます。信仰の仲間がいます。「やっぱり神さまはいるよね、だから信仰と希望と愛をもって生きていこうね」と言い合える仲間がいます。その信者同士の支えも本当に大切にしてください。

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する