毎日がクリスマス

カトリック司教 幸田和生のブログです。説教メモなど

復活節第6主日 ミサの説教

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●復活節第6主日ミサの説教
                2014.5.25都賀集会所にて
 一、使徒言行録8・5-8, 14-17
 二、I ペトロ3・15-18
 福、ヨハネ14・15-21

 福島県南相馬市。福島第一原発から北に、10キロから40キロのところに位置する町です。津波の被害者も福島県では最も多かったし、原発事故の影響で人が住めなくなった地域も市の1/3ぐらいあります。ですからそこには非常に多くの仮設住宅があります。震災と事故から3年たって、今なお仮設住宅で暮らしている人が5,000人以上います。わたしたちカトリック東京ボランティアセンターは2年前から、カリタス原町ベースを作って、活動をしています。ただ、本当に多くの方が被災・避難されている状況で、できることはほんのわずかしかありません。
 その仮設住宅で最近、孤独死が2件続いたそうです。南相馬市の社会福祉協議会では、18人の生活相談支援員が2人1組で戸別訪問して、見守りをしていますが、とても足りません。そこで原町ベースにもなんとか協力してもらえないかという話がありました。本当は行政がすべきことかもしれません。しかし、わたしたちの方針は、一番取り残されて行く人に目を向け、寄り添うということですから、何とか応えようとしています。
 でもこれは仮設住宅だけの問題ではありません。わたしの知っている結城康博さんという、カトリック信者で、淑徳大学の教授が最近、『孤独死のリアル』という本を出しました(講談社現代新書)。それによると今、日本で起こっている孤独死は年間3万人と言われています。
 人は誰でも死ぬ時は1人で、一人暮らしの人が自宅で1人で死ねば、みんな孤独死だと言えるかもしれませんが、問題はそれが何日もあるいは何週間もたってから発見されるということです。その人の最後の日々がいかに孤独であったか、そこが問題なのです。そしてそれは被災地の仮設住宅や一人暮らしの高齢者だけの問題ではないでしょう。本当に一人ぼっちと感じている人はおおぜいいます。本人が感じてなくても、深刻な孤立状態にある人はおおぜいいます。
 その中で、わたしたちは今日の福音のイエスの言葉を聞きました。
 「わたしはあなたがたをみなしごにはしておかない」
 なんと、力強い約束でしょうか。イエスは復活して永遠にわたしたちと共にいてくださると約束されました。聖霊を遣わして、いつまでもわたしたちとともにいてくださる「助け主」としてくださいました。これが復活節にわたしたちが味わっているイエスの約束です。
 第二朗読ではこう言われています。「神の御心によるのであれば、善を行って苦しむ方が、悪を行って苦しむよりはよい。キリストも、罪のためにただ一度苦しまれました。」迫害や苦しみの中にあってもキリスト者はひとりぼっちではない。十字架のキリストが共にいてくださる、というのです。ほんとうにわたしたちはそのことによって、どんな時も支えられています。それがキリスト信者のもっとも深いところにある信頼感であり、安心感です。何があっても神がわたしたちを見捨てることはない。どんな悲惨な状況の中でも、キリストが共にいてくださる。わたしたちはけっして「みなしご」ではない。そこにわたしたちキリスト信者の生きる力の源があります。
 第一朗読は、フィリポの宣教によってキリストを信じるようになったサマリア人のグループのもとに使徒ペトロとヨハネが出かけていって、彼らの上に手を置き、聖霊のたまものを授けたという箇所です。今の堅信式を思わせる箇所かも知れませんが、ここで、生まれたばかりのサマリアのキリスト教共同体が、エルサレムの使徒たちの共同体につながったという点も大切であるように思います。「自分たちはひとりぼっちではない」サマリアの人々は、そう感じたことでしょう。それはサマリア人の共同体にとって、どれほど励ましになったことでしょうか。
 現実にこういうことがあります。キリストが共にいてくださる。聖霊が弁護者としていつも助けてくださる。そのことは人と人とのつながりの中で体験されるのです。「あなたがたをみなしごにはしておかない」というイエスの約束は、人によって伝わる、あるいは人によってしか伝わらないと言ってもいいかもしれません。わたしたちキリスト信者は皆、このイエスの約束を運ぶ使命を受けています。わたしたちは、言葉よりもむしろ関わり方によって、「あなたは1人じゃない。神は、キリストはあなたと共にいてくださる」と伝えていこうとするのです。
 きょうもわたしたちはこのミサの中で、わたしたちのためにいのちをささげてくださったイエスと出会います。復活して永遠にわたしたちとともにいてくださるイエスと出会います。その出会いをしっかりと受け取り、深く味わいたいと思います。そして、わたしたちがここから出かけて行って、日々出会う人々と、この福音の喜びを分かち合うことができますように、心から祈りたいと思います。


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| | 2014-05-27(Tue)02:51 [編集]


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| | 2014-06-03(Tue)10:08 [編集]


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| | 2014-06-16(Mon)22:52 [編集]