FC2ブログ

毎日がクリスマス

カトリック司教 幸田和生のブログです。説教メモなど

年間第30主日



お母さんはフィリピン人カトリック信者、お父さんは信者でない日本人という赤ちゃんの洗礼式でした。
終わってから、近くのお店(マスターの奥さんがフィリピン人)でフィリピンの人たちが集まってのパーティー。
洗礼のお祝いのケーキって、初めて見ました!インターネットで注文したそうです。

●年間第30主日・幼児洗礼式
 聖書箇所:シラ35・15b-17、20-22a/二テモテ4・6-8、16-18/ルカ18・9-14
           2019.10.27カトリック原町教会
 ホミリア
 洗礼というのは人がキリスト信者になる式のことです。もともとは大人がイエス・キリストを信じるようになって、自分の口で「わたしは神様、イエス様を信じます」と言って、その言葉=信仰宣言に基づいて、洗礼を授けるというのが原則でした。
 もしもそれだけだとすると教会というのは大人だけの集まりということになりますね。子どもは教会に入れないの? いやイエスさまはご自分のもとに来た子どもを拒否したりはしなかったはず。生まれたばかりの赤ちゃんも教会のメンバーとして受け入れたい。教会の中で神様の子どもとして育っていってほしい・・・そういう大人たちの思いと願いから、赤ちゃんにも洗礼を授ける、ということが行われるようになっていきました。これが幼児洗礼と言われるものです。キリスト教の早い時代から行われてきました。

 赤ちゃんは自分の口で「神様を信じます」とは言えません。そこで、その代わりに親と教会共同体が信仰宣言をして、その信仰に基づいて洗礼を授けることが行われるようになったのです。もちろん、子どもが大きくなって自分の口で「信じます」と言えるようになってほしい、という願いを込めて洗礼をするのです。
 Aちゃんのお母さんの国フィリピンでは、生まれた子どもが洗礼を受けるのは当たり前のことです。キリスト教的な雰囲気の中で子どもは成長していき、お祈りしたり、教会に行ったりしながら、自分もそのうちにイエス様のことをわかるようになり、神様を信じるようになっていく、そう期待して、洗礼が授けられます。日本では簡単じゃないかもしれません。子どもが大きくなっていく環境、学校や周りの社会ではキリスト教はあたりまえじゃないし、その中で、「わたしは父である神様・イエス様を信じます」と言えるようになるのはたいへんなことかもしれません。

 もしかしたら、大きくなって文句を言うようになるかもしれない。「自分が知らないうちに勝手に洗礼を授けられた」って。でも親は、子どもに何か与える時、何でも子どもに聞いて与えているわけではありませんね。ミルクを飲むか飲まないか、服を着るか来ないか。子どもの意思を確かめて与えるんじゃなく、一番いいと思ったものを与え続けるのです。そうでなければ子どもは育っていきません。親が子どもにしてあげられる一番いいこと、それはその子を神さまの子どもとして育てるということ、そう信じるから幼児洗礼を授けるのです。レベッカさんは、子どもが大きくなったとき、「わたしはあなたに一番いいものを与えたいと思って、洗礼を受けさせたのよ」そう胸を張って言ってあげてください。そしてその思いを理解し、認めてくれた旦那さまに感謝してください。

 本当に日本ではキリスト信者は少数なので、子どもがキリスト教的な雰囲気の中で育っていくことは難しい。だからこそ、このわたしたち、お母さんと代母(ゴッドマザー)になってくれる方々、そして、原町教会みんなの役割は大切です。本当にこのAちゃんのために祈り、Aちゃんが素晴らしい神様の子どもとして成長していくように、見守り、助ける役割があります。
 お父さんの役割もあります。子どもは親の所有物ではありません。一人一人が神さまによって造られ、限りない愛を注がれた神の子です。人間の親は、その子どもをあずかって、大切に育てる使命を与えられているのです。愛といつくしみを込めてAちゃんを育ててください。そして、お父さんはAちゃんが洗礼を受けることをお許しくださったのですから、どうか、神さまの子どもとしてAちゃんが成長していくのを見守り続けてください。

 親の願いは、子どもがよく生きることだと思います。
 「よく」というのは健康であること、事故に遭わないこと、勉強もスポーツもできること、経済的にも恵まれること、いろいろあります。
 でもそれだけじゃない。人間として「よく」生きる。人をだましたり、傷つけたりしないこと。人に対して優しい心を持つこと。周りの人とよい関係を持って生きること。そして自分の人生をすばらしいものと感じられるようになること。あらゆる面でこの子が「よく」生きること。それが親の願いだと思います。
 そのすべての願いを込めたのが、幼児洗礼式なのです。

 Aちゃんが神の子として、神と周囲の人々の愛のうちに守られ、すこやかに成長していくことができますように。そしてご家族が、神からの恵みと祝福に満たされて、平和で幸せな家庭でありますように。心から祈りながら、洗礼式を行います。


PageTop